低温濃縮装置が電池の開発に使用されました

2023年3月11日 (土)

つくばにある国立研究開発法人物質・物性研究機構NIMSの魚崎研究室で低温濃縮装置が採用され、電池の開発に使用されています。 2022年3月に弊社の低温鶯宿装置(NIT-P-3R)をお納めいたしました。これは従来の低温濃縮装置を一部改造しより長時間に使用できるようにしたもので、魚崎浩平先生は On-line cold trap pre-concentrator(CTPC)―GC/MSとして、使用していただきました。 この研究成果が英国化学会誌(2023,2月)に掲載されました[1]。

魚崎浩平先生のグループは、リチウムー酸素バッテリーの充放電時におけるガス成分を低温前濃縮装置:(CTPC)-GC/MSを用いて、15秒間のサンプリングでGC/MSのデーターを採集され、これを繰り返して、ガス成分の変化を長時間測定されました。 リチウムー酸素電池のガス成分に含まれている37化学成分を検知され、この中には新しく見いだされた12化合物が含まれていました。 この成果は、英国化学会誌に発表されました[1]。

リチウムー酸素バッテリーにおけるガス成分の中の発生化合物について40分ごとに15秒ガスサンプリングを26時間に渡って連続的に分析し、発生化合物の経時変化をとらえられました。 それらの化合物の変化が生じる過程や雰囲気中での変化のスキームを提案されています[2]。

論文題名と著者
[1]Real Time Monitoring of Generation and Decomposition of Degradation Products in Lithium Oxygen Battery during Discharge/Charge Cycles by Online Cold Trap Pre-concentrator–Gas Chromatography/Mass Spectroscopy System, Yanan Gao, Hidenori Noguchi and Kohei Uosaki 、英国化学会誌 RSC Advances 13(8):5467-5472、2023, DOI: 10.1039/D2RA07670E
[2]Online Real-Time Detection of the Degradation Products of Lithium Oxygen Batteries, Yanan Gao, Hidenori Noguchi and Kohei Uosaki, ACS Energy Lett, 2023, 8, 1822-1817