これまでにない少量のガスを用いて、その高倍率の低温(-50℃~-193℃)直接濃縮により極微量ガス(ppm~サブppb)の高感度分析が可能になりました。この装置の実現により、ヒト皮膚ガスの研究を進めることが出来ました。またVOCや素材(建材など)の表面からの放出ガス等が容易に分析できます。
この装置は、希薄なサンプルガスの濃縮をループ形状の捕集管中に高効率に冷却濃縮(液体窒素使用)するためのトラップシステムです。同時にそのまま、市販ガスクロマトグラフ(GC)やガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)にオンライン注入が出来ます。1サイクルは45秒で可能です。微量VOCガスの濃縮とクロマトグラフ分離分析に最適です。
手から皮膚を採取し、これを自動サンプリング装置(卓上にある長方形の装置)で捕集し、次いで皮膚ガス/微量VOC濃縮装置(画面左奥、2段の装置、およびその手前に液体窒素用ジュワービン)でオンライン濃縮し、奥にあるGC/MS(画面奥の箱型の装置)に直接オンラインで接続分析します。
本装置をGC/MSに接続し皮膚ガスを3分間採取した分析結果です。非常に精度の高い分析ができています。
上図は手からヒフガスを採取(健常人、男性)して、GC/MSを行った事例です。アルコールを摂取しなくても皮膚からサブppmのアルコール(0.86ppm、保持時間5.1分)が出ています。またアセトン(0.24ppm、保持時間3.1分)等、その他たくさんのガスが出ています。
この皮膚ガス/微量VOCガス用濃縮装置 NIT-P は、トラップ管と呼ばれる0.1~0.2 mlの特殊ステンレススチール細管を冷却することにより凝縮捕集を行ない、そのまま自動的にガスクロマトグラフにオンライン注入することができます。このために試料の化学的な変化を最小限にする工夫になっております。
このシステムの利点は以下の通りです。